オーディオ関連の旧い製品は中古品として、心の奥底でちょっと下に見ているのは
誰でも感じる処でしょう
過去20世紀に頂点を迎えた工業製品は20世紀後半から21世紀に入り 公害問題
などが起こったりコストの関係で製品化する材料が最高に近いものが使用できなく
なっていったのはそのかかわりのある関係者は充分解っていますが 新型化、新製品
という智恵で不充分な材料での製品造りで切り抜けて頑張ってきたのです。
でも もう十分でしょう・・・
素直に考え方を見直しましょう【中古=ダメな品】としての オーディオ製品の見かたを
あらためなければならない時が来ているのではないでしょうか、確かに寿命の短い
ケミカルコンデンサーやスピーカーのウレタンエッジなど交換すべきものは有ります、
がこれは楽器でも手入れが必要なことと一緒です
世界の一流演奏家が 今もって旧い楽器(中古)を使用しているのは厳然たる事実
です、一部金管楽器系は金属疲労の関係などで新しく造らねばならないが その過程
で旧くからの製作法をノウハウとして大切に取り入れているのは、楽器製作者なら
十分承知のことです。
ここにスピーカー修理を長年携わっている方の(Rさん)興味ある実例をお話します。
有る時(セレッション#700)という当時の英国製最高級ブックシェルフスピーカー
のツイーター(高域部のユニット)が断線し修理に持ち込まれてきたのです 分解して
見たところ確かにボイスコイル(ツイーター部に巻かれている細い銅線)が焼き切れ
ていたので さてと、交換すべき手持ちのこの細さの線がちょうど無くなっていたので
(Rさん)は手持ちの旧い欧州製ビンテージスピーカーがあったので そこから細い線
を外し修理完了してお客さんに戻した処 後日クレームが有ったとのことです、
何と!「良すぎるので 未故障のもう一台と揃えてくれ」との変わったクレームでした
なんとか壊れていない方も線を交換して今度こそ修理完了したとのことでした。
後日談で(Rさん)は セレッション#700と言えば当時最高級の部品で構成されている
製品でも ビンテージの旧い(ボイスコイル)はさらに上を行く銅線をつくっていたのだ
なあ・・という結論でした。
なぜ今はこういう線を造れないのか?現在の方が技術は上なのではないか?
など疑問が湧くのが普通ですが 先程も書きましたがコストや公害対策で使える
技術が使えないのが現状です 単にOFCだPCOCCだとか純度を上げれば済む
問題ではもなく現代の技術の進化とは極少量のオーディオ製品のために有るので
もないのですから やむおえません。
確かに今まではオーディオ製品は正しい変換機であり 変な色付けは不必要
というのが正論として 評論家やメーカーが訴えてきました、スピーカーボックス
は木ではダメだとか スピーカーのコーン紙は新材料でとか色々とトライしてきました
が 其処に何の変化・進化が有ったでしょうか 長くかかわった方ほど感じるはずです
スピーカーは楽器です!レコードプレーヤーも楽器です!
このことを今では自信を持って云いたいと思います
20世紀の大切な遺産である ビンテージ製品をオリジナルレコードと伴に
再確認すべきかと思います
中古品として さげすむのではなく・・
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