2016年8月29日月曜日

RENOV.シェルリード線



レコード針の振動が拡大されて電気信号に変換されさらに又拡大されてやっとアンプのフォノイコライザーに到達します

電気信号も電気振動ですから機械振動の一種ですからかもしれませんが
なぜか昔からの経験上レコード針をハウジングしているカートリッジシェルの根元に
見える電線の僅か数cmのシェルリード線を変えると 音色が大きく
変化する様はベテランのマニアなら経験している方も多く、しかし一方変化することと
良くなることは別なので 真剣には取り組まないという結果です

話は少し変わりますが この処 シェル固定ストレートアームが増えてきました、この場合
シェルリード線はメーカー指定のアーム付属線と成ります ストレートアームを使う方は半分以上
マニアックな方がいらっしゃいますが、この場合シェルリード線は無視されています
大いなる矛盾が発生していました

其処でRENOV.シェルリード線を数種実験製作してみました
方法としてはオス=メスの延長コード式です
結果!当然ながら大いに変わります、今までなぜやらなかったか・・・
ストレートアームはシビアに反応しますのでより顕著に表現します

延長コード式では接点が2倍に増えるので 不利ではないのか、と疑問を持たれる
方もいますがそれを差し置いての絶大なる効果です、
なを 交換するコードは(ー)側の2本だけです

知人のHさん宅で変化の具合を Uチューブ にアップしましたので ご覧ください
試聴機種によってはちょっとわかりにくいかもしれませんが、Hさん宅にPCの外付け
スピーカーでは確認できました,
どうもパソコンのサウンドボードの性格で逆の結果が聴こえる機種が有るようです

使用コードは1930年代のクラングフィルム絹巻きリッツ線.3本縒り、
オス端子はタングステンを使用 .メス端子はオヤイデ普通品 ハンダは
英国ビンテージ品

【Uチューブのビデオ撮影で解りやすく見せるためにコードが外にはみ出していますが後でパイプのなかに
押し込むことが出来ました】
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https://www.youtube.com/watch?v=tsDot2Wdekw

2016年8月18日木曜日

オーディオ製品は単なる工業製品か 楽器か


オーディオ関連の旧い製品は中古品として、心の奥底でちょっと下に見ているのは
誰でも感じる処でしょう
過去20世紀に頂点を迎えた工業製品は20世紀後半から21世紀に入り 公害問題
などが起こったりコストの関係で製品化する材料が最高に近いものが使用できなく
なっていったのはそのかかわりのある関係者は充分解っていますが 新型化、新製品
という智恵で不充分な材料での製品造りで切り抜けて頑張ってきたのです。

でも もう十分でしょう・・・
素直に考え方を見直しましょう【中古=ダメな品】としての オーディオ製品の見かたを
あらためなければならない時が来ているのではないでしょうか、確かに寿命の短い
ケミカルコンデンサーやスピーカーのウレタンエッジなど交換すべきものは有ります、
がこれは楽器でも手入れが必要なことと一緒です
世界の一流演奏家が 今もって旧い楽器(中古)を使用しているのは厳然たる事実
です、一部金管楽器系は金属疲労の関係などで新しく造らねばならないが その過程
で旧くからの製作法をノウハウとして大切に取り入れているのは、楽器製作者なら
十分承知のことです。

ここにスピーカー修理を長年携わっている方の(Rさん)興味ある実例をお話します。
有る時(セレッション#700)という当時の英国製最高級ブックシェルフスピーカー
のツイーター(高域部のユニット)が断線し修理に持ち込まれてきたのです 分解して
見たところ確かにボイスコイル(ツイーター部に巻かれている細い銅線)が焼き切れ
ていたので さてと、交換すべき手持ちのこの細さの線がちょうど無くなっていたので
(Rさん)は手持ちの旧い欧州製ビンテージスピーカーがあったので そこから細い線
を外し修理完了してお客さんに戻した処 後日クレームが有ったとのことです、
何と!「良すぎるので 未故障のもう一台と揃えてくれ」との変わったクレームでした
 なんとか壊れていない方も線を交換して今度こそ修理完了したとのことでした。

後日談で(Rさん)は セレッション#700と言えば当時最高級の部品で構成されている
製品でも ビンテージの旧い(ボイスコイル)はさらに上を行く銅線をつくっていたのだ
なあ・・という結論でした。

なぜ今はこういう線を造れないのか?現在の方が技術は上なのではないか?
など疑問が湧くのが普通ですが 先程も書きましたがコストや公害対策で使える
技術が使えないのが現状です 単にOFCだPCOCCだとか純度を上げれば済む
問題ではもなく現代の技術の進化とは極少量のオーディオ製品のために有るので
もないのですから やむおえません。

確かに今まではオーディオ製品は正しい変換機であり 変な色付けは不必要
というのが正論として 評論家やメーカーが訴えてきました、スピーカーボックス
は木ではダメだとか スピーカーのコーン紙は新材料でとか色々とトライしてきました
が 其処に何の変化・進化が有ったでしょうか 長くかかわった方ほど感じるはずです

スピーカーは楽器です!レコードプレーヤーも楽器です!
このことを今では自信を持って云いたいと思います 
20世紀の大切な遺産である ビンテージ製品をオリジナルレコードと伴に
再確認すべきかと思います 
中古品として さげすむのではなく・・

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